書窓風景

読書人のブログ

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

星野天知『紅閨の燈火』(自己流訳)

※編集中。恐らく間違いだらけですが、徐々に更新していきます。 袖は露が濡らすと言い、露は袖が濡らすという。 ふればこそ露も砕け、砕ければこそ袖も濡れるというものを、いったい誰がこの境を知るだろうか。今年この露が袖に砕けて我が庭を潤おすと、そこ…

星野天知『紅閨の燈火』

※以下の文章は、明治二十七年九月発行の文學界に掲載された星野天知作『紅閨の燈火』を、一部旧字体を新字体に改めたり、原文にはない句点を補うなどして読みやすくしたものです。作品を広く知っていただくために、素人が趣味で打ち込んでいるものなので間違…

馬場孤蝶『文藝作品の検閲』(感想)

北村ミナ先生の記事を目当てに購入した『早稲田文學』第三十二號(明治四十一年七月発行)に収録されていました。大陸文学の英訳出版者として有名なビゼッテリーさんが、ゾラ作品の出版で裁判沙汰になってしまったことを書いています。 告発した者も裁判官も文…

はじめに

文芸雑誌『文學界』は、星野天知・島崎藤村らによって明治26年に創刊されました。 わずか5年で廃刊となりましたが、藤村は、この文學界時代のことを『春』という小説に詳しく書き残しています。『桜の実の熟する時』は、春に至るまでの物語です。このブログ…